家の庭などにあるウッドフェンスは、お隣や周囲からの視線の目隠し効果もあり、おしゃれな印象にしてくれるエクステリア商品です。
全体から漂う柔らかい雰囲気は、ウッドフェンスならではの魅力とも言えるでしょう。
一方で、「強風で倒れることはないのかな?」「ぐらつきがあるけど大丈夫かな?」などと心配になる人も少なくありません。
ここでは、安全なウッドフェンスをつくるためのポイントなどを紹介していきます。


目次
ウッドフェンスの安全性を高めておく理由
ウッドフェンスにぐらつきなどの異常を感じたことはないでしょうか。
しっかり施工されていないフェンスは、強風や衝撃などが原因で倒れるリスクが高くなります。倒れてしまうと、周辺に置いている物や植物などを傷つけてしまいます。場合によっては、近くを歩いている人にぶつかったり、怪我をさせてしまうこともあるでしょう。
そのため、ウッドフェンスを施工する場合は、安全性を高めておく必要があるのです。
また、一度施工すると、その後は明らかな劣化や破損などがない限り、そのまま使い続けることになります。
そのため、何十年もそのままということがほとんどです。長い年月を重ねても高い安全性が保てるよう、設置する最初のタイミングでしっかり対策を講じておくようにしましょう。

ウッドフェンスが風の影響を受けやすい要因としては、表面積が広いことが挙げられます。表面積の広さには、長さや高さの他、デザインも影響します。
フェンスの種類は、メッシュフェンスや鋳物フェンスなど様々です。
中でも、目隠しを目的として使われているフェンスは、風がぶつかる面積が大きくなるため、受けるダメージも大きくなってしまうのです。また、目隠しフェンスの中にも、完全に目隠しをするタイプと、ルーバータイプやボーダータイプなど、格子の間に隙間があるものとがあります。
当然、ルーバータイプやボーダータイプの方が、隙間から風が抜けていけるため、受ける影響も少なくなるでしょう。完全目隠しタイプのものと比べると、倒れるリスクは少なくなります。
しかし一方で、格子の間隔を広げていけばいくほど、目隠し効果や遮音効果などは減ってしまいます。設置する場所や目的に応じて、最適なものを選ぶようにしましょう。


安全なウッドフェンスを作る基本的なポイント
ここでは、安全なウッドフェンスをつくるためのコツを、いくつか紹介していきます。
#基礎をしっかりつくる
基礎は、ウッドフェンスを支えている柱の足元部分を、しっかり固める役割を担っています。つまり、ここがぐらつくと、倒れるリスクも増えてしまうのです。安全性を高めるためには、まず丈夫な基礎をつくって、倒れ防止対策を講じておくようにしましょう。
完全に目隠しをするタイプなど、風が抜けにくいデザインのフェンスにする場合は、特に注意する必要があります。
基礎には、一般的に、フェンス専用のコンクリート製品が使われることが多いです。まず、地面を掘り返し、基礎ブロックを埋め込んでいきます。その際に、地中に埋設されている配管などを傷つけないよう、慎重に掘削を進めていくようにしましょう。

基礎ブロックは、地面から50ミリ程度頭が出るくらいのところまで埋めていきます。人工木材は、天然の木材に比べると腐りにくくなっていますが、全くダメージを受けないというわけではありません。
基礎ブロックの頭を少し地上に出しておくことで、雨水の浸水を防ぎ、ダメージを受けにくくすることができます。そして、その中に支柱を立て、基礎との間にできた隙間にはモルタルを詰め込み、固定していきます。
その他には、地面に埋め込んだ基礎ブロックに脚注金物を固定し、柱を取り付ける方法もあります。この方法で施工すると、柱が地面に接しないため、柱を雨水や湿気などから守れるようになるのです。

既製品の基礎ブロックを使わない場合は、コンクリートを打設して基礎をつくっていきますが、構造計算を行って、丈夫な基礎をつくっておくことが大切です。地面に直接柱を埋め込んだりするような施工方法は、避けるようにしましょう。安定性が低く、柱の根元部分も腐食しやすくなるため、簡単に折れたり、強風で倒れたりする可能性も高まります。そして、施工する前には、施工要領書などをよく確認し、正しい施工方法を選ぶようにしましょう。
また、ウッドフェンスは、敷地の境界ギリギリのラインに施工するケースが多いです。
うっかり基礎部分が越境してしまわないよう、基礎の幅も踏まえた上で設計、施工するようにしましょう。
#柱のピッチを細かくする
柱のピッチが広いということは、柱の本数が少ないということです。
材料が少なくなるため、コスト面では安くなるかもしれませんが、フェンス全体の耐久性としては下がってしまいます。
強い風が吹くと揺れが大きくなり、フェンスにかかる負荷も増えてしまうのです。安全性を維持するためにも、柱のピッチは細かくしておきましょう。
もちろん、柱のピッチは狭い方が風圧に対する耐性を高められます。

#ウッドフェンスの高さを抑える
ウッドフェンスの背が高ければ、その分外からの視線をシャットアウトできるようになります。壁に囲われているような感じになるため、プライベートな空間もつくりやすくなるでしょう。
しかし、背が高いということは、表面積が大きいということでもあります。
そして、ウッドフェンスの表面積が大きくなればなるほど、風から受ける力の影響も大きくなってしまいます。
設置する際は、その高さが本当に適切なものか、再確認するようにしましょう。できるだけ低くした方が、強風対策としては効果的です。
ウッドフェンス自体の重さも減るため、ぐらつきにくくなるでしょう。



#ウッドフェンスの格子の間隔を考える
ウッドフェンスの格子のピッチが細かければ細かいほど、隙間がなくなり、風の通り道はなくなってしまいます。風から受ける力が大きくなってしまうため、強風が吹いた時に倒れやすくなるでしょう。
ウッドフェンス自身の重さも重たくなるため、支柱にかかる負担も大きくなっていきます。
とはいえ、風に対する安全性を高めるために、格子のピッチを広げればよいというわけではありません。
もしそこが外からの視線が気になる場所であれば、「プライバシーが守れない」という事態に陥ってしまうケースもあります。目的や場所などに合わせて、最適な間隔にしておくことが大切です。

格子のピッチが細かく、隙間があまりないようなウッドフェンスは、プライバシーを重視したい空間におすすめです。外からの視線が気になる場合や、プライベートな空間をつくりたい場合は、ピッチを細かくするようにしましょう。
手前に植栽をする場合は、ウッドフェンスが背景となり、樹木や草花を美しく見せる効果も期待できます。
ウッドフェンスは、明るい色合いのものから、ダークなものまで、カラーバリエーションも豊富にあります。ナチュラル系やモダン系、和風系など様々なテイストに合わせることが可能です。
反対に、開放的な雰囲気にしたい場合や、外からの視線があまり気にならない場合、明るさもしっかり確保したい場合は、格子のピッチを広げるようにしましょう。格子と格子の間を30ミリ程度にする場合と、90ミリ程度開けた場合とでは、受ける印象は全く異なります。イメージに合わせて格子のピッチを決めていきましょう。

#高い耐久性を持つ材料を使う
どんなにしっかり施工できたとしても、素材そのものの耐久性が弱ければ、腐食や破損、倒壊などのリスクは増えてしまいます。
材料を選ぶ際は、できるだけ耐久性の高いものを選ぶようにしましょう。
人工木材といっても、その中には様々な種類のものがあります。
大きくは、木粉と樹脂を混ぜ合わせた人工木材と、樹脂のみでできたものとに分けられます。
さらに、前者で使われる樹脂の中にもいくつかの種類があり、その種類や混合比率によっても耐久性が変わってきます。
一般的には、樹脂の配合を高くする方が、耐久性は高くなると言われています。水の吸水率も低下するため、腐食のリスクも下げられるでしょう。しかし一方で、木粉の比率が高い方が、より本物のような質感や見た目を再現することができます。材料を選ぶ際には、その素材までこだわり、できるだけ耐久性の高いものを選ぶようにしましょう。


ウッドフェンス頑丈に仕上げるには
背の高いフェンスや、長さのあるフェンスを施工する場合、更に頑丈に仕上げるためには、支柱を追加する方法も効果的です。
これは、従来から用いられてきた方法で、ウッドフェンスに対して斜め方向に柱を追加していきます。
この支柱に当たる部材は、方づえとも呼ばれています。
しかし一方で、支柱を施工する場合、ウッドフェンスの後ろ側には、それなりのスペースが必要になってきます。
物を置きにくかったり、足を引っ掛けやすくなるといった心配も出てくるでしょう。駐車場や駐輪場として使っている場合は、邪魔になってしまう可能性もあります。あらかじめしっかり検討しておく必要があります。

また、ウッドフェンスに控え壁を設ける方法もおすすめです。一方向のみでフェンスを設置していると、どうしても耐久性的には弱くなってしまいます。一定間隔ごとに、直角方向の控え壁を設けておくと、安定感を出せるようになるでしょう。

信頼できる施工店に依頼しよう
ウッドフェンスの施工には、専門的な知識と技術が求められます。倒れ防止対策や、強風対策をしっかり取るためにも、豊富な実績を持ち、信頼できる施工店を選ぶようにしましょう。ウッドフェンスは、一度設置すると、簡単にやりかえられるものではありません。メンテナンスのことも踏まえると、施工店選びは重要なポイントとなってくるでしょう。そして、使用している間に、もしぐらつきなどの異常を発見した場合は、大事に至る前に、メンテナンスを速やかに依頼することも大切です。



《まとめ》
安全なウッドフェンスを施工しよう
ウッドフェンスは、そのデザイン上、どうしても風を受ける面積が大きくなるため、強風対策を講じておく必要があります。万が一倒れた時の被害も大きいため、倒れ防止対策は欠かせません。風が強くなってきた後で、対策を取ることは難しいものです。強風対策や倒れ防止対策もバッチリにするために、あらかじめしっかりと検討し、安全なウッドフェンスを施工しておくようにしましょう。
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