
昨今、耐久性が強い人工木材で作るウッドデッキが一般的となりDIYでも使用されることが非常に多くなってきました。しかし人工木材は「天然木よりも高い」や「施工が難しい」等のイメージが多くDIYでの使用が難しいのではないかなど、調べれば調べるほど疑問が出てくるのではないでしょうか?
そこで今回、弊社の施工をしたことがない”素人”の女性スタッフが人工木ウッドデッキをDIYしたので、DIYの流れや実際どのくらい費用がかかるのか、作成した感想と共にご紹介いたします。
更新日:2023/4/30
初稿:2022/12/22
目次
- DIYウッドデッキを作るにあたって
- DIYウッドデッキの設置場所/設置目的
- DIYウッドデッキの予算
- 人工木ウッドデッキのメリットデメリット
- ウッドデッキの作成前にしたこと
- 人工木ウッドデッキをDIY
- 人工木ウッドデッキをDIYした費用の総額
- ウッドデッキ作成後の感想
DIYウッドデッキを作るにあたって

こんにちは。アートウッドスタッフのKです。
私はこれまで学生時代に図工の時間でしか何かを作成したことがなく、ウッドデッキの基礎も分からないような素人です!そんな私の実家にある天然木ウッドデッキ(母がいつ作成したかも分からないもの)がメンテナンスをしながら使用していたのですが、経年による劣化が激しく、「これ以上使用するのは危険な状態ではないか?」ということになり、せっかくの機会なので私がDIYにて作り変えることにしました!
DIYウッドデッキの設置場所/設置目的
今回DIYしたウッドデッキの設置場所は2階ベランダです。ウッドデッキは主に、毎日の洗濯物を干す足場に使用しています。
我が家のベランダは土間に対してベランダが1段低く設計されており、それに対して洗濯竿の高さを部屋の高さに合わせて設計されているので、今のままだと物理的に洗濯物が干せない状況なのです、、、(身長が190cm程度あれば可能ですが、我が家にはそんな人いません!)(イメージ図下)

毎日使う場所で、ウッドデッキがないと洗濯物を干すこともできないので、母が昔に作成しましたが、天然木で作ったウッドデッキだと思った以上にメンテナンスが大変でした。
さらに部屋からそのまま洗濯物を干すので、裸足で過ごしている我が家は、ササクレやとげなども非常に気になる!ということで2代目のウッドデッキは人工木材で作ることにしました!
DIYウッドデッキの予算

人工木材で作ると決めたはいいものの、やはり天然木材(ソフトウッド)に比べると人工木材の費用は高くなります。
ハードウッドで作ることも考えたのですが、ウリンやイペなど、種類によってササクレができやすくメンテナンスが必要みたいなので今回は見送りました。
私はできるだけ安く作りかたったので、今回は直接肌に触れる床板のみを人工木材にし、根太束材はホームセンターで集められる鋼製束や天然木材を使用し、費用を抑えるようにしました。
鋼製束はゴツゴツした感じがあり、仕上がりはいまいちに思いますが、今回作成する場所がベランダなので、鋼製束にしたところで誰にも見られないのでOKです!(見栄えがいいのはやはり同じ人工木材で統一して作ったものです。)
使用予定の材
アートウッド商品の 中空デッキ材(EWH-D135/2)
中空デッキ材の専用クリップ(EWH-CLIP/2)
その他ホームセンターにて 天然木材(根太材用)、鋼製束(束材用)
人工木ウッドデッキのメリットデメリット
ここで人工木材をご存じない方のために、簡単に人工木材のご紹介をいたします。
人工木材とは、その名の通り人工的な木材です。
メーカーによって違いますが、大体は木粉と樹脂を混ぜ合わせて作成しています。木粉に加えてプラスチック(樹脂)を混ぜ合わせることで耐久性や腐食、劣化など天然木での悩みがほとんど解消され、メンテナンスフリーであることがメリットです。
逆にこの樹脂を混ぜ合わせることにプラスチック感が出てしまうところがデメリットです。木の様な見た目ですがメーカーによってはテカテカと表面が光ってしまうものもあります。また、施工もきっちりと施工書の指示通り行わないと割れや反りの原因となるところが難点です。
しかし施工書通りに作成すれば、メンテナンスをしなくても天然木の何倍もの耐久性があることから、昨今は天然木ウッドデッキよりも、人工木ウッドデッキが主流となっています。
また、先述した見た目や質感ですが、メーカーによって配合しているものや比率が違うと全くの別物になり、最近では天然木そっくりの人工木材もあります。
そのためもし人工木材を選ぶ場合はお手元でサンプルなどで確認し、自分の好みの質感や色合いのモノを探すことをおすすめします。
↓天然木そっくりの人工木材はこちら↓
ウッドデッキの作成前にしたこと
DIYをするにあたって、まず始めにしたことはウッドデッキの寸法の計測です。
高さ、奥行きは既存のデッキと同じで問題ないのですが、横幅だけ以前のウッドデッキを1mぐらいで作っており、思ったよりも洗濯物を干す範囲が少なく失敗したと思っていたので、倍の2mくらいで作成することにしました。
まとめると作成するウッドデッキの希望サイズは下記の寸法です。
幅:2000mmくらい欲しい
※デッキのロスが少なく、かつこのサイズ前後で作成したい
奥行き:620mm
高さ:350mm
サイズが図れたので、次はウッドデッキを縦張りにするか横張にするかを悩みました。
私はできるだけ作るのに手間を掛けたくないという思いが強かったので、縦張りにしたとき、横張にしたときの図面を簡単に書いてみました。
横張り/縦張りが分からない方は下記記事をご覧下さい↓

横張りウッドデッキの場合

横張りの場合は図を描いて考えてみると、デッキ材を2mそのまま加工せずに使用できるから施工が楽かも!と思いました。
しかしロスをなくして考えると奥行きを凄く短くする(620mmのところ目地を入れて550mmくらいにする)か、不足した70mmを縦垂直にまっすぐ材の切断加工をし620mmに合わせて施工するかの二択になり、どちらも嫌だなと思いました。(足りないと隙間があくし、切断は難易度が高く見栄えが悪くなるからです、、)
縦張りウッドデッキの場合

次に縦張りの画像です。
先述した横張りの手間を考えると、縦張りの場合デッキ材が2m定尺の長さなので、加工をすると多少のロスは出ますが、手間と難易度の事を考えるとこちらが最適かなと思い縦張りで作成することに決めました!
続いて、部材の数量を算出していきます。
大きい部材(床・根太・束部分)

はじめにデッキ材です。
今回使用する材のサイズは中空デッキ材(EWH-D135/2)なので幅133mm、厚さ26mm、長さ2000mmになります。
横幅は2000mmくらいほしいので133mmで2000mmを割ると15枚あれば足ります。
1本2000mmの板から長さ620mmの板は3枚取れるので、15枚必要なのであればデッキ材が合計5本必要になります。

次に根太材です。デッキ材が幅133mm×15枚必要なのでウッドデッキの横幅は1995mmになります。
しかし人工木材は特性上、膨張収縮が起こるので目地が必ず必要になります。その為デッキ材同士の間に目地分6mmを設けると、初めに計算した1995mmにプラス、隙間14箇所×目地6mmなので、84mmが横幅として必要になるので、根太に必要なサイズは横幅2079mmになります。私は半端な数字で計算しにくいので2080mmとしました。

また根太の必要な本数は、根太間隔が400mm必要なので、今回は620mm奥行きあるので2本では足りず計3本必要になります。(赤い部分)

最後に束材です。
これは非常に悩みました!根太と併せて束自体も天然木で作るべきか、腐らない鋼製束にするか。
天然木はやはり、費用が安くなる分、腐る恐れがあるので、高さ調節等が簡単な樹脂でできたプラ束で作ることにしました。しかし、いざ購入しにホームセンターにプラ束の必要な個数分在庫がなく、急遽鋼製束で作るという流れになりました。
※もし予め必要な個数が分かっていて、工期が先なのであればあらかじめホームセンターに問い合わせをしておくのがいいかもしれません。
束材は束間隔1000mm必要で1列に3本×3列分必要なので計9本必要になります。

上から見ると必要な部材はこんな感じです。

小物の部材
今回使用する中空デッキ材はリブがあるので専用クリップにて固定していきます。
根太に固定する必要があるので、根太3本×14列なので42個必要になります。
また、根太材と束材を固定するビスは、今回使用するL型鋼製束に予め穴が空いていました。数えると鋼製束1本に対し4本のビスを使用して根太に固定していくので鋼製束9本×4本のビスが必要なので36本必要です。
まとめると必要な部材は下記になります。
中空デッキ材(EWH-D135/2)5枚(620mmで15本にカット)
専用クリップ(EWH-CLIP/2) 42個
束材(鋼製束) 9本
根太材(天然木) 3本(2080mm)
根太束固定用タッピングビス36本
※ビスやクリップは失敗する可能性があるので必要個数よりも多く準備することをお勧めします!
人工木材Eee-Woodを使用したウッドデッキの推奨ピッチや目地幅の目安は、下記の図を参考に設計してください!

人工木ウッドデッキをDIY
ここまで来たらいよいよ施工です。
【用意した工具】
- 丸のこ
- ドライバー
- 電動ドライバー/電動ドリル
- レンチ
※丸のこや電動ドライバー/電動ドリル等はホームセンターでレンタルすることができます。(ホームセンターによって置いてある道具が違うので要確認です。)
まずは部材のカットです。
今回ホームセンターで購入した天然木材は、予めカットサービスにてカットしていただきましたので、残るは人工木材のカットのみです。
人工木材は天然木材と同様の加工方法、工具でOKなのでのこぎりを使用していきます。

手ノコでも切れないことはないのですが、体力がそこまで持たないので文明の利器「丸のこ」を使用していきたいと思います!
620mmの長さを図り、15枚にカットしていきます。

今回は少量なので一気にカットしましたが、人工木材は熱に弱いので大量部材を一気にカットすると、丸のこが熱くなり材が曲がる原因になるので大量の部材カットの場合は注意してください。
続いて根太材に束材との固定箇所に印をつけていきます。
今回は根太材が2080mmで、束材の固定間隔が1000mmピッチなので左右40mmずつはね出しの部分ができるためです。(根太材のはね出しは束芯から150mmまで可能です。)

赤い線のところに印をつけました!
次に束材(束柱)です。

今回使用するのが鋼製束になるので、全てを同じ高さにしていく必要があります。(プラ束の場合も同じです。)
まず鋼製束を等間隔に並べて置き、大体の高さを合わせたのちに根太材を上に乗せ、その上にさらに水平器を置くと平行の確認ができるので、全体が平行になる様に調整していきます。(水平器はスマホのアプリで対応しました!)
全体が水平になったらそこの高さで仮止めをしていきます。
水平にするには鋼製束を調整するのですが、素人の私にとって初めて使うレンチで固定しては緩めて高さの調節をし、水平確認をし、また固定しその繰り返しの作業が非常に時間がかかりました。
もしプラ束があればワンタッチで高さの調整ができるみたいなので、そちらを強くお勧めします!(プラ束は鋼製束の倍くらいのコストにはなります、、)
気を引き締めていざ、根太を鋼製束に固定していきます。

固定箇所は下2箇所、側面2箇所の合計4箇所を鋼製束1本に対してビス止めしていきます。
ビス止めをするとき、材が人工木材の場合は下穴が必須です。下穴をあけずに直接ビス打ちしてしまうと、材が割れたりする可能性があるからです。
今回は下地材が天然木材なので、本来下穴は不要なのですが、ホームセンターの方に私の購入した根太材は軟らかい木なので下穴を空けてからのビス打ちでないと繊維に沿って割れる可能性があると教えていただいたので、下穴をあけてからのビス打ちにしました!
電動ドリルの大きさはビス径より少し小さめの3.5のものを使用しました。軟らかい材なので下穴は簡単に空けることができました。
下穴がうまく空いたら工具の先端をドリルからドライバーに変更してビス止めという流れでどんどん止めていきました。
穴あけ、ビス止めは本当に簡単なのですが、ドライバーとドリルに工具の先端を交換するのが非常に手間がかかかりました。ホームセンターにてレンタル工具を利用し、2台体制でもよかったなと思います。

根太束材の固定が完了したら、根太材の間隔を310mmになるようにセットしていきます。(私はここを適当にしてしまったので、仕上がりに影響しました!きっちり図って設置することをお勧めします。)
セットできたらいよいよ板材を張っていきます。
デッキ材として使用する中空材は先述しましたがデッキ側面が凹型になっており、T字型のクリップを用いて根太に固定しいくようになります。
このクリップの止め方は下記の動画内にあるように、
根太材に下穴をあけて、クリップをビスで仮止め→
クリップを板同士で挟み、電動でなくセルフドライバーでビスを固定
という流れです。
初めは難しく時間が掛かりましたが、コツをつかめばすごく簡単で、このデッキ材を張る作業は30分も掛からなかったです。
完成です!
私はアクシデント等もあったので、5時間ぐらいかかりました。(きちんと寸法を測りながらしたらもう少し早く綺麗にできたかもしれません。)
通常の上からビスで止めるタイプと違い、表面にビスが見えないので仕上がりもとてもきれいで大満足です!
床板が壁と並行ではありませんが、私なりにいい感じにできたと思います。

人工木ウッドデッキをDIYした費用の総額
人工木材専門店アートウッドにて購入したもの
・中空デッキ材 EWH-D135 5枚 22,500円(4,510円/枚)
・専用クリップ EWH-CLIP/2 42個 1,848円(44円/1個)
・初回キャンペーン値引き -2,948円(サンプル請求者限定)
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計 21,400円
ホームセンターにて購入したもの
・根太材 2×4材 3本 4,224円(1,408円/1本)
・木材カット代 3カット 99円(33円/1カット)
・根太束固定用ビス タッピングビス 4×30 382円(87本入り)
・L型鋼製束(Sサイズ) 9本 3,933円(437円/本)
・9号レンチ(鋼製束用 17×19mm用) 767円
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計 9,405円
上記2店舗の購入金額の合計は30,805円になりました。
私は今回全て自分で材料をそろえましたが、作成するウッドデッキのサイズによっては「キット製品」の方が安く値段を抑えられる場合もあるので、商品選びの段階で単品購入だけではなくキットやセット商品までチェックするといいと思います。
ウッドデッキ作成後の感想
今回はデッキ材のみを人工木材にし、雨には濡れない場所なので、下地の一部などを天然木等で対応したりしました。その分安価になったように思います。
しかし根太は天然木の方が安いですが、束は鋼製束と人工木材の値段は設計方法によっては、さほど金額は変わらないので、人工木材を均等に切断することが苦でない方は、見た目もですが、鋼製束よりも人工木材で施工した方がDIYしやすかったのではないかと感じました。(レンチを使って緩めたり閉めたりしながらの高さ調整が本当に大変だったので、、、)
その他はドリルを2つ用意しておけば効率がいいといいことぐらいです。
初めてDIYをしてみましたが、設計から材料集めまでは、割とすんなりとできましたが、施工が想像していたよりもハードでした。特に鋼製束。(何回目、、)
しかし出来上がってみると、端がガタガタになっていよう自分で作ったウッドデッキというだけで愛着が湧き、なかなかいい出来なんじゃないかと思っています。
なのでまとめると
- DIYで作ってよかった点は愛着がわいたこと、家族が思いのほか喜んでくれたこと
- 人工木材で作ってよかったことは面倒なメンテナンスがいらない、とげができない
- 素人がウッドデッキをDIYするときに気を付けることは、寸法を測りながら施工すること、鋼製束を使わないこと
です。もしかしたら男性だと鋼製束はすんなり使えるのかもしれません。
しかし、施工が楽だなと感じたのはプラ束か人工木をカットして使用する方だと思います。
ご自分でウッドデッキをリフォームする方の参考になれば嬉しいです!
クーポン付きのおすすめ無料サンプル

今回私が、人工木材専門店アートウッドにて購入の際に使用した、人工木材の初回キャンペーンお値引きクーポンはサンプルを請求した際についてきます。(個人・法人様限定)サンプル請求をすると、実際の人工木材のカットサンプルや完成イメージがつきやすい施工写真、自作する方でも分かりやすい施工方法等の載った詳しい商品カタログが入っているので、お手元でご確認いただければと思います。
またその他人工木材のことが分からなければ、お電話やメール、LINEにてスタッフにお気軽にご相談下さい。

この記事を監修した人
一級建築士事務所サーロジック株式会社 高尾 裕稔
人工木のウッドデッキは施工方法が分からない方が多く、よくお問合せがあります。
実際は天然木とさほど施工方法が変わらず、記事内にある注意点さえ守れば、天然木よりもはるかに長持ちのするウッドデッキになります。
簡単なお手入れだけで綺麗に長持ちし、ササクレなどの出ない安全な仕上がりなのでぜひ人工木材でのDIYにチャレンジしてみてください。